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肩甲骨のこと



近年、肩甲骨の重要性が言われるようになりました。

肩甲骨がどこにある骨なのかはわかっていても、どのような役割をしているのかを理解しておられない方は、意外と多いようです。そこで、肩甲骨について、少しだけ書きたいと思います。肩甲骨は、背中の上の方にあって、左右一対の平たい骨です。その役割は、腕・肩を動かすことにあります。腕・肩が自由自在に動くためには、肩関節と肩甲骨の共同作業が必要になります。

肩甲骨の可動域が制限されると、腕の可動範囲も狭められることになるのです。肩がこる要因のひとつにもなりますので、肩甲骨が自由に動けるよう、普段から解放してあげることを心がけてください。特別難しいことを行うことはないのですが、実際問題として、肩甲骨の可動域が狭くなっている方々を見ていると、普段の生活で、肩甲骨を動かすことが少なくなっていることを実感致します。


では、どうすれば肩甲骨の自由を維持できるのでしょうか

簡単です。肩を回せばよいのです・・・。と、いうと、ほとんどの方が腕を回します。それも、力んだ状態で、グルグルと回すのです。それでも、多少は肩甲骨は動いてくれますが、しっかりと肩を回すと、面白いように肩甲骨は動きます。動きが悪い人でも、続けているうちに動くようになってくるはずです。

まず、全身の力を抜いてください。リラックスするのです。そして、肩先に紐が付いているのを思い描いてみてください。その紐を誰かが天井から引っ張っていると思ってください。ゆっくりその紐が引かれると、肩先は徐々に引き上げられていきます。自分がピノキオになったような気になってみても良いかもしれません。

次に、その紐は後ろから引かれます。すると、肩先は自然と後ろに引っ張られていきます。その時、肩甲骨に意識を持っていってください。肩甲骨は中央へと寄り、間が狭くなってくるはずです。そうならない方は、肩だけでなく、体ごと後ろへ倒れていることでしょう。もう一度、誰かに肩の紐を引かれているイメージを持ってください。肩甲骨は、寄っていくことでしょう。肩甲骨が寄る感覚がつかめたら、引っ張られていた紐を緩め、引かれていた肩を、自然の形に降ろしてください。くどいようですが、ゆっくりとです。このHPに書いてある行動は、全てゆっくりとが基本となります。

自然に降ろされた肩は、今度は前に引かれます。そうして、また上へと引き上げられてゆきます。
この動作を三回ほど繰り返してください(一回りするのに、一分以上かけるのが理想です)。簡単な動きですので、時と場所は選びません。仕事の合間、信号待ちの車内、お風呂の中、いつでも、どんなときでもできるのが、この肩回しです。



もうひとつ、
肩甲骨が自然な位置にあるのと無いのとでは、その動きに大きな違いがあります。中央により過ぎていたり、開きすぎていても、よくありません。日本人は、平均して開き気味ですが、時には、寄りすぎている方もいらっしゃいます。

肩甲骨が動きやすい位置としては、ほんの少し外側に開き放たれた状態のようです。この状態を作り出すには、胸の筋肉が適度にゆるんでいることが大切です。私は、胸を開くといっておりますが、胸の筋肉が程よくゆるみ、鎖骨から肩甲骨へ伝わる動きが滑らかになるようになっていることが重要です。歩くときに、過度な動きをすることはあまりお勧め致しませんが、腕を振る動作をしてみてください。ボーリングのボールを遠くへ放るイメージで、上腕を後ろへ引くようにすると、肩甲骨が解き放たれるような感覚を得られるかもしれません。

慢性的な肩こりや肩の違和感を感じている方は、逆に腕を後ろに引くようにしながら歩くほうが良いでしょう。反動で前方へも行くでしょうが、基本的には後ろへ後ろへと引く感じです。試してみる価値はあるはずです。

肩甲骨の可動域とその周辺の柔軟性は、肩だけに限らず、生活の上で重要なようそのひとつです。日頃から、動かすことを習慣づけて、楽な体を維持していきましょう。




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